【83点】オリス/アクイス デプスゲージ

2013.10.03

名高いETA製キャリバー2824の代替ムーブメントであるセリタSW200は、オリス・キャリバー733となって高い精度を叩き出す。

手に入れやすい価格の水深計付き機械式時計

高い精度に加え、コストパフォーマンスが素晴らしいのもアクイス デプスゲージの長所である。32万5500円を支払えば、ラバーストラップとステンレススティール製ブレスレット、ストラップ交換用工具、水深計のクリーニングを行うための専用ツールがセットになった水深計付き機械式時計を手に入れることができる。スペック、加工品質、巧緻を極めた数多くのディテールなど、すべてにおいて満足のいく内容で、価格がこれ以上だったとしても十分、納得できるだろう。水深計を搭載した機械式時計で現在、市場に出回っているモデルはオリスのほかに3機種あるが、どれもアクイス デプスゲージの何倍もの価格で販売されている。
水深計を必要としないユーザーには、アクイス デプスゲージと同じデザインでケース径が43㎜と小ぶりで、300m防水のアクイス デイトも用意されている。もちろん、黄色のメートル目盛りは付いていないが、16万8000円(ラバーストラップ仕様)で手に入れることができる。
テネリフェ島の海岸で行った実地テストでは、アクイス デプスゲージがダイビングにふさわしい理由が、信頼性の高い水深計にあるだけではないことが分かった。美しく、存在感あふれるスポーティーなこの時計は、高い加工品質と精度を備え、手に入れやすい価格であり、水中から上がっても、ひと呼吸よりもずっと長い間、堂々とした風貌を失わない。優れたダイバーズウォッチとしてはもちろん、陸上でもお薦めできる十分な実力を持っているのだ。

ダイバーへの配慮は完璧。ストラップは、バックルのプッシュボタンで段階的に延長できるうえ、バックルの位置を変えることでさらに延長が可能。

テストダイバーからひと言

「ボイルの法則に基づいて機能する水深計を搭載したダイバーズウォッチとは、型破りなコンセプトだと思います。水中で使用したところ、ダイブコンピューターの表示との差はごくわずかでした。水深30mを超えると大まかな深度しか把握できませんが、水深を表示する黄色のメートル目盛り問題なく判読できます。ストラップを延長できる範囲がかなり限られているダイバーズウォッチが数多くある中で、さまざまな厚さのダイビングスーツに合わせて長さを調整できるストラップとバックルは秀逸です。逆回転防止ベゼルは、初めのうち、動きがやや固いように感じますが、グローブをしたままでも簡単に操作することができます。また、ダイビングにおいては視認性がとても重要ですが、水深が深く、光の条件が悪くても、アクイス デプスゲージはとても良好な視認性を発揮してくれます」