ロレックス独自の年次カレンダー機構「サロスシステム」
ロレックスは、スカイドゥエラーのために年次カレンダーも新たに開発し、特許を取得した。この年次カレンダーには31枚の歯が切られた日付ディスク(1)がある。この日付ディスク(1)は、筒車(6)の動力が中間車(6a)を介して歯車(5)へ伝えられることで、歯車(5)に固定された切り替え爪(3a)によって毎日の終わりに1日分、先に送られる。これは、従来の日付切り替え機構で行われているのと同じような動作である。この年次カレンダーのハイライトは、固定された太陽歯車(9)の周囲を回転する遊星ギア(10)である。この遊星ギア(10)は日付ディスクの上にベアリングで支持されており、その上には4枚の歯が切られた月遊星ギア(11)が取り付けられている。歯車(5)の上には、切り替え爪(3b)がもうひとつ、別の層に取り付けられている。この切り替え爪(3b)は月遊星ギア(11)と噛み合うことで、日付ディスクを1日分プラスして先に送る。すなわち、月遊星ギア(11)の4枚の歯は、切り替え爪(3b)とともに、日数が30日の「小の月」である4月、6月、9月、11月の月末の日送りを制御する役割を担う。これらの太陽歯車(9)、遊星ギア(10)、月遊星ギア(11)の歯数は、「小の月」の月末のみ、1日追加して日送りが行われるように計算されている。太陽と惑星に見立てたロレックス独自の年次カレンダー機構を「サロスシステム」と呼ぶ。