レザーストラップは加工が良好。ヘアライン仕上げのバックルは時計との相性も良く、扱いやすく安全。
結論を言えば、良い評価をつけるしかない
だが、予想に反して、ウィッチ製電子歩度測定機で行ったテストでは、テストウォッチのキャリバー899は期待通りの結果を見せてくれなかった。フル巻き上げ時でも24時間経過後でも、水平姿勢と垂直姿勢の振り角の差(T0で50度、T24で45度の差)がかなり大きかったことも気になった。12秒という最大姿勢差(フル巻き上げ時)も決して褒められる値ではない。
この個体が例外かどうか確認するために、クロノスドイツ版編集部のアドバイザーであるマイスター時計師、ミヒャエル・ベルナシェク氏に、キャリバー899搭載モデルをさらに2本、テストしてもらった。だが、結果は似たり寄ったりで、大きな最大姿勢差がここでも観察された。それにもかかわらず平均日差は悪くなく、1日数秒というごくわずかなプラス傾向は着用テストでも証明された。
結論を言えば、マスター・コンプレッサー・ダイビング・オートマティーク・ネイビー・シールズにはやはり、良い評価をつけるしかない。他で多く見られるスタイル性重視のダイバーズウォッチとは異なり、ネイビー・シールズは本物のダイバーズウォッチになくてはならない、あらゆる属性を有しているからである。特に、良好な視認性は高く評価できるし、ネイビー・シールズの控えめな外観は極めて好感度が高い。ネイビー・シールズは旅行やバカンスで使うのにぴったりの時計であり、ダイビングを楽しむユーザーも十分納得できる完成度を備えている。
同名の米海軍特殊部隊との提携は、ジャガー・ルクルトにとって実りあるものだったに違いない。モデル名を与えられたばかりか、時計の開発にも価値ある恩恵がもたらされたのだから。
技術仕様
ジャガー・ルクルト/マスター・コンプレッサー・ダイビング・オートマティーク・ネイビー・シールズ
製造者: | ジャガー・ルクルト |
モデル: | Ref.Q2018470 |
機能: | 時、分、センターセコンド(ストップセコンド仕様)、日付 |
ムーブメント: | ジャガー・ルクルト製キャリバー899、直径26.6mm、厚さ3.3mm、32石、4個の調整用バランスウエイトを備えたテンワ、自動補正平ヒゲゼンマイ(ニヴァロックス1使用)、2万8800振動/時(=4Hz)、耐震軸受け(キフ使用)、拘束角48°、22Kゴールド製分銅付き片方向巻き上げ式ローター、シングルバレル、パワーリザーブ約43時間、部品点数219点 |
ケース: | SS製スリーピース構造、4カ所ネジ留め式ケースバック、ねじ込み式リュウズ、サファイアクリスタル(片面無反射コーティング)、300m防水 |
ストラップとバックル: | レザーストラップおよびピンバックル |
サイズ: | 直径42mm、厚さ14.2mm、ラグ22mm、総重量102g |
バリエーション: | |
価格: | 84万円(1500本限定モデル) |
*価格は記事掲載時のものです。記事はクロノス ドイツ版の翻訳記事です。
精度安定試験 (日差 秒/日、振り角)
フル巻き上げ時(T0) | 24時間後(T24) | |
文字盤上 | +7 | +2 |
文字盤下 | +8 | +4 |
3時上 | -2 | -1 |
3時下 | +3 | -1 |
3時左 | +2 | -1 |
3時右 | -4 | -5 |
最大姿勢差: | 12 | 9 |
平均日差: | +2 | 0 |
平均振り角: | ||
水平姿勢 | 320° | 261° |
垂直姿勢 | 270° | 216° |
評価
ストラップとバックル(最大10pt.) | 9pt. |
操作性(5pt.) | 5pt. |
ケース(10pt.) | 8pt. |
デザイン(15pt.) | 12pt. |
視認性(5pt.) | 5pt. |
装着性(10pt.) | 10pt. |
ムーブメント(20pt.) | 16pt. |
精度安定性(10pt.) | 7pt. |
コストパフォーマンス(15pt.) | 12pt. |
合計 | 84pt. |