クラスプは堅実かつ巧みなエクステンション機能付き。開閉ボタンの他に設けられたふたつのボタンで、ストラップを快適な長さに調節できる。
全方位にぬかりはなしか?
これらの変化は妥当なものだ。しかし本当に全箇所において、より良く変わったと言えるのだろうか? おおむね良好ではあるのだが、例えばベゼルはお世辞にもつかみやすいとは言えない。水中用のグローブを着用すると、操作にはかなり厳しいものがある。
さらに挙げると、このレギュレーター文字盤のデザインも意見が分かれるところかもしれない。潜るときは確かに威力を発揮できるのだが、人生における水中で過ごす時間の割合を考えるとどうだろうか。読み取りの際、時表示があるのは文字盤右側だということをまず意識しなくてはならない。しかもサブダイアルにはセンターから伸びる分針がかぶりがちだ。12時位置に時表示、6時位置に秒表示が置かれた古典的かつ一般的なスタイルのレギュレーター文字盤より思い切った配置のデザインには、普段の生活ではちょっとした慣れが必要だろう。
搭載ムーブメントのセリタ製キャリバーSW220-1。オリス用に改良されているため、ローターも赤い仕様だ。
だがそれさえ意識しておけば、マイスタータウハーは日常においてかなり魅力的で、ことに水と接する機会の多い暑い夏には有用だ。2週間の着用テストでは、海水に触れることあり、雨に降られることあり、庭へのホースでの水まき時に水跳ねもありと盛りだくさんだったが、それらにも耐えてくれた。プールでは、水中で屈折した光がドーム型のサファイアクリスタル風防の邪魔にならない限り、かなり横からの角度からでも読み取りができた。
またテスト期間中はシャワーやキッチンでの作業、自転車の運転など、時計が否応なしに水に触れたり振動にさらされたりするシーンもあった。これらは季節に関係なく日常的に遭遇するハードな環境だが、それにも耐えぬいたのだ。