ミルガウスのようなフォーム
今回の新作は、ケースがミルガウスでもおなじみのフォームを採用している。特徴的なボディは、ステンレススティール904Lを塊から仕上げたものだ。この素材は腐蝕に対して高い耐性を持っている。3連のオイスターブレスレットも同じ素材だ。ケースの表側には滑らかに磨き上げられたベゼルを備え、サファイアクリスタル風防がはまり、裏に返すと刻み目を入れたシンプルなねじ込み式の裏蓋で閉じられている。この裏蓋は、専用工具でしか開けることができない作りになっている。その形状を二枚貝の殻に見立ててオイスターと呼ばれ、シンボルとしても有名なこのケースは、100mの防水性能を誇っている。
技術力がもたらす安全性
密閉されたケースには、パッキンを二重にしたトゥインロックリュウズが装備されているのだが、ロレックスは、この特殊な防水構造を採用していることが外から見ても分かるように印を付けている。このモデルの場合はリュウズのヘッドにある王冠マークの下に入った線がそれだ(モデルによってはふたつのドットの場合もある)。
内蔵されているのは、ミルガウス用に作られた革新的なムーブメントのキャリバー3131。これはロレックスが特許を取得したブルー パラクロム・ヘアスプリングを使用している。ブルー パラクロム・ヘアスプリングはニオブとジルコニウムを酸化処理した合金で、耐磁性があるばかりでなく、温度変化にも影響が少なく、さらに耐衝撃性もある。
このムーブメントを見ると、ロレックス独自のエンドカーブをつけたヘアスプリングばかりに目が行きがちではあるが、精度に対して重要な役割を果たしているのはテンワも同様だ。このテンワは銅とベリリウムから成る合金のグリュシデュール製。耐磁性があり、温度変化による膨張が少ない素材として知られている。緩急調節は4つのマイクロステラナットで行い、星型のナットが微調整に役立つ。そして、ガンギ車はニッケルとリンを用いたUV-LIGAによって成形されているため、ヘアスプリングとテンワ同様に耐磁性を持つ。