【手巻きのドレスウォッチ】ドレスウォッチをカジュアルに楽しむ冬

文字通り、華やかな装いに映えるドレスウォッチは、時代の変化や価値観の多様化によってその基準を再設定しながら、デザインの様式を拡張。今や着けるシーンを選ばない存在になりつつある。エレガントな佇まいと袖に収まりやすい薄さ。これを基準に、各社は自由な表現を尊重している。そこで今冬は、ドレスウォッチとカジュアルな装いの組み合わせを6つのカテゴリーで提案する。

手巻きのドレスウォッチ × ツイードパンツ

　時代とともにドレスウォッチの在り方も変わる。それゆえ、現代社会でその規範や正統性に縛られすぎるのは窮屈かもしれない。だが、ドレスウォッチの様式美を尊ぶことは素敵だし、それは古典やロマンを解する洒落者ならではの腕時計の楽しみ方だ。

　その意味で、手巻き式を採用するオメガの「デ・ヴィル トレゾア スモールセコンド」は理想の選択。6時位置にスモールセコンドを配したグレーダイアルが、スリムな外観を現代的に洗練。この腕時計のリュウズを巻き上げる行為が、あなたの愛着を育むはずだ。ここでは、そんな腕時計とツイードパンツの組み合わせを提案する。

　まずはファティーグパンツをベースにデザインされたトラウザーズ（写真1）。豊かな表情を見せるツイードは、量産する生地を選ぶ際に使われる試織された“マス見本”を採用した、ひとマスごとに配色が異なるデッドストックのもの。地道に収集された稀少な生地である。

　次はワンタック入りのグレンチェック柄パンツ（写真2）。生地は原料の調達から反毛、紡績、織布、整理まで全工程を日本国内で行うリサイクル紡毛素材「RE：NEWOOL」を採用する。ビーバー仕上げが施され、調整可能な持ち出しが付いたウエストが特徴だ。

　最後は1950年代のロカビリーパンツをデザインソースとした1本（写真3）。尻回りにたっぷりとゆとりを設けてタックを取り、裾に向かって細くテーパードさせた。生地はホームスパンツイードを採用。はき込むほどに味わい深い表情が生まれるものばかりだ。

手巻きのドレスウォッチ