今、時計市場で最も勢いのあるカテゴリーが、いわゆる“ラグジュアリースポーツ” だ。その元祖こそが、1972 年にオーデマ ピゲが世に送り出した「ロイヤル オーク」である。
それから半世紀を経て、オーデマ ピゲが成し遂げたのは、かつてロイヤル オークが風穴を開けた、閉ざされた“ラグジュアリー”の一層の解放である。
クロノグラフ機構を統合した自社開発ムーブメントCal.4401を初搭載したオフショア クロノグラフ。ストップ・リセットせずに再スタートできるフライバック機能を搭載。ベゼル、リュウズ、プッシュボタンはセラミックス製。自動巻き(Cal.4401)。40石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約70時間。SS(直径43mm、厚さ14.4mm)。100m防水。445万5000円。
(右)ロイヤル オーク オフショア ダイバー
2010年のRef.15703以来、11年ぶりにリニューアルされた「ロイヤル オーク オフショア ダイバー」。2021年前半に発表された3種のSSモデルに追加されたセラミックベゼルを持つホワイトゴールドケースのモデル。自動巻き(Cal.4308)。32石。2万8800振動/ 時。パワーリザーブ約60 時間。18KWG( 直径42mm、厚さ14.2mm)。300m防水。682万円。
鈴木幸也(クロノス日本版):文 Text by Yukiya Suzuki(Chronos Japan)
「ロイヤル オーク オフショア」コレクション
高級時計の素材といえば貴金属が常識であった1972年、ステンレススティールを外装に採用し、実用的な防水性能を与えつつもスポーツウォッチのような無骨さを持たない掟破りの腕時計がオーデマ ピゲから発表された。ラグジュアリースポーツウォッチの元祖とされる「ロイヤル オーク」である。だがオーデマ ピゲは、この〝ラグスポ〞を一層マニッシュなデザインとサイズに振り切った「ロイヤル オーク オフショア」を93年にリリース。再度、高級時計の常識を覆した。その圧倒的な存在感によって、オフショアは独自の地位を築き上げた。
次に同社が取り組んだのが自前のムーブメントの開発であった。その先陣を切ったのが2003年に完成した自社開発自動巻きキャリバー3120である。同機は長らく基幹キャリバーとして多用されてきたが、その完成から16年を経た2019年、ついに後継ムーブメントが、それも新たなアイコンコレクションに搭載されて発表された。「CODE11.59バイ オーデマ ピゲ」が採用する3針自動巻きキャリバー4302とクロノグラフのキャリバー4401だ。パワーリザーブは約70時間に延び、振動数も毎秒6振動から毎秒8振動に高振動化され、信頼性と実用性が一層高められた。
ブラックセラミックス製のミドルケースにホワイトゴールド製のベゼルとラグ、裏蓋を組み合わせた2021年の新作。スモークグレーのグラデーションダイアルには縦方向にヘアラインが入れられている。18KWG×セラミックス(直径41.0mm、厚さ12.6mm)。30m防水。533万5000円。裏側はシースルーバック仕様になっており、オーデマ ピゲの次世代を担う一体型の自社開発クロノグラフムーブメントCal.4401を鑑賞することができる。ムーブメントには細部に至るまで卓越した仕上げが施される。自動巻き。40 石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約70時間。
2021年、その新型自社開発ムーブメントが新生オフショア ダイバーに搭載された。しかも、ムーブメントがスペックアップされただけでなく、工具を用いることなく簡単にストラップを交換できる新システムまで導入されたのだ。〝ラグスポ〞は、ドレスダウンというファッションの変化にいち早く対応し、多様化したその汎用性を最大限に生かすことで、高級時計の可能性を広げ、かつて限られた階層のみが享受していた〝ラグジュアリー〞の民主化を一段と促した。その最前線を切り拓いてきたオーデマ ピゲこそ〝ラグスポ〞の第一歩として手にすべき理由と価値を持つ腕時計なのだ。
初めてのラグジュアリーを愉しむ名古屋の殿堂
2020年5月に名古屋市の中心部、栄に誕生した国内最大規模の売り場面積を誇る「オーデマ ピゲ ブティック 名古屋」。日本庭園風のエントランスを抜けると、全4フロアの吹き抜けに輝くシャンデリアが出迎えてくれる。木や石といった自然素材によって構成される内装は、オーデマ ピゲ誕生の地、スイスのル・ブラッシュをイメージした演出だ。
コレクションが並ぶ「マニュファクチュール」、社会貢献事業など同社の取り組みを学ぶことができる「ラウンジ」、エスプレッソやシャンパンを楽しむことができるバーラウンジなど、カスタマーを「ファミリー」と呼ぶオーデマ ピゲのホスピタリティの高さを随所に感じることができる。ブランドの世界観とともに、初めてのオーデマ ピゲ、初めてのラグジュアリーを体感するのに、これほどふさわしい殿堂はない。
オーデマ ピゲ公式ホームページ「日本特別コンテンツ」
https://borninlebrassus.audemarspiguet.com
https://www.webchronos.net/features/64467/
https://www.webchronos.net/features/62455/
https://www.webchronos.net/features/53910/