メタルブレスレットのラグジュアリー&スポーティーな新作5選

2020.08.07

昨年の秋頃から、ケースと一体デザインのブレスレットを備えた、いわゆる「ラグジュアリースポーツウォッチ」のスタイルでつくられた新モデルが次々と登場している。ではなぜ、同時期にいくつものラグジュアリースポーツウォッチの新作が登場したのか。というと、その正確な理由はわからない。
しかしラグジュアリースポーツウォッチは、いま世界的に大人気のジャンルだ。その代表であるオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク」やパテック フィリップ「ノーチラス」のベーシックモデル(オリジナルの復刻版)は、ここ何年ものあいだ常に入手困難な状況が続いているぐらいである。だからそんな人気のラグジュアリースポーツウォッチに、新たな魅力を持つ新モデルが加えられるのは、楽しくて心が躍る。時計好きとしては歓迎すべきことだ。

ということで、ラグジュアリースポーツウォッチのおすすめの新作を厳選。以下、発表された順に、A.ランゲ&ゾーネ、ショパール、H.モーザー、ウブロの4本をご紹介する。また、最後の5本目のブライトリングはラグジュアリースポーツウォッチのスタイルではない。しかし復活したルーローブレスレットが注目のもの。いうなれば、メタルブレスレットの名作のカムバックである。それゆえに特別に選抜。大おすすめの1本として、ご紹介することとした。

福田豊/選&文

A.ランゲ&ゾーネ「オデュッセウス」

オデュッセウス

A.ランゲ&ゾーネ「オデュッセウス」
直径40.5mm
自動巻き(Cal.L155.1 DATOMATIC)
31石
2万8800振動/時
12気圧防水
SS
310万円(税別)

 2019年10月の発表のため、実質的には今年の新作といえるだろう。A.ランゲ&ゾーネのレギュラーモデルで初のSSモデルであるのが大きな特徴。もちろん、ケースと一体のブレスレットを備えたラグジュアリースポーツウォッチのスタイルもブランド初だ。昨年の時点では、2020年3月までは全世界のA.ランゲ&ゾーネブティックのみで展開予定とされていたが、現在も引き続きブティックのみの取扱いだそう。なお4月に発表されたWGケース+レザーストラップのモデルは全正規販売店で展開中だ。


ショパール「アルパイン イーグル ラージ」

アルパイン イーグル ラージ

ショパール「アルパイン イーグル ラージ」
直径41mm
自動巻き(Cal.Chopard 01.01-C)
31石
2万8800振動/時
100m防水
ルーセント スティール A223
147万円(税別)

 昨年秋に発表された、実質的には今年の新作。現在の共同社長のカール-フリードリッヒ・ショイフレが初めて時計を制作したのは1980年の若干22歳のときのことで、その最初の時計「サンモリッツ」はメゾン初のSSケース&ブレスレットのラグジュアリースポーツウォッチであった。その時計を40年後に息子のカール-フリッツが発見し、祖父の会長であるカールの力を借りて現代に蘇らせたのが、このモデル。そんな親子三代の物語も美しくラグジュアリーだ。


H.モーザー「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック」

ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック

H.モーザー「ストリームライナー・フライバック クロノグラフ オートマティック」
直径42.3mm
自動巻き(Cal.HMC 902)
55石
2万1600振動/時
12気圧防水
SS
世界限定100本
480万円(税別)

 今年の年明け早々に発表された、H.モーザー初のクロノグラフであり、初のラグジュアリースポーツウォッチ。最初期の目標が、SSケースにブレスレットを一体化させたデザインにすること、であったのだそう。そうして生まれた滑らかなラインは1920~30年代の高速列車の流線型を再解釈したもので、それにちなんで「ストリームライナー」と名付けられた。自動巻きのローターをダイヤル側に配置し、裏面のクロノグラフ機構を存分に堪能できるようにしたのも素晴らしい。


ウブロ「ビッグ・バン インテグラル チタニウム」

ビッグ・バン インテグラル チタニウム

ウブロ「ビッグ・バン インテグラル チタニウム」
直径42mm
自動巻き(Cal.HUB1280 UNICO)
43石
2万8800振動/時
10気圧防水
チタニウム
222万円(税別)

 今年1月に開催された「LVMH ウォッチ ウィーク ドバイ 2020」で発表された新作。「ビッグ・バン」で初のケースと融合したインテグレーテッドメタルブレスレットを採用したのが大きな特徴。ケースも細部が再設計され、ことにケースサイドのコンポジットレジンを不使用にしたのが目を惹く部分。また、クロノグラフのプッシュボタンを2005年のデビュー時のデザインに変更。インデックスがアラビア数字ではなく、すべてアプライドのバーインデックスにされているのも注目点だ。


ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」

クロノマット B01 42 ジャパンエディション

ブライトリング「クロノマット B01 42 ジャパンエディション」
直径42mm
自動巻き(Cal.01)
47石
2万8800振動/時
200m防水
SS
日本国内限定販売
89万円(税別)

 今年、ブライトリングはフラッグシップの「クロノマット」を全面リニューアル。アーネスト・シュナイダーにより生み出された「1980年代のクロノマット」をテーマに、1980年代のデザインに回帰しているのが見どころだ。そしてわけても大注目がルーローブレスレットの復活。ライダータブの復活もファンには堪らないところだ。これは日本限定モデルで、通常は赤のクロノグラフ秒針も含め、すべてをモノトーンにしているのが特徴。いわゆる逆パンダダイヤルも格好いい。