2024年 ロジェ・デュブイの新作時計を一気読み!

FEATURE2024年新作時計
2024.04.17

ロジェ・デュブイがウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024で発表した新作時計を、まとめて紹介する。今回の同社の新作は4つで、すべてトゥールビヨンモデルだ。センターに配置されたフライングトゥールビヨンが特徴的な「オルビス イン マキナ」や、スケルトナイズされたフェイスによって独創性と審美性を備える「エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン」など、目を引くモデルが取りそろっている。

ロジェ・デュブイ オルビス イン マキナ


「オルビス イン マキナ」

 1995年の創立以来、「ハイパーオロロジー™」を理念に掲げ、伝統的な時計製造技術と斬新な解釈で独創的なアプローチを取ってきたロジェ・デュブイ。ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ 2024では、トゥールビヨンを搭載した4モデルが発表された。その筆頭を飾るのが、「オルビス イン マキナ」だ

ロジェ・デュブイ オルビス イン マキナ

ロジェ・デュブイ「オルビス イン マキナ」Ref. DBEX1119
手巻き(Cal.RD115)。29石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径45mm)。10気圧防水。世界限定88本。3509万円(税込み)。

 「オルビス イン マキナ」は、フライングトゥールビヨンを中央に収め、同心円上に時間が表示される構造が特徴だ。

 搭載される手巻きCal.RD115は、03年以降に製造されたロジェ・デュブイのすべてのトゥールビヨンと同じく、283個の部品と29石のルビーで構成されたムーブメントである。03年、ロジェ・デュブイはブランド初の自社マニュファクチュール製フライングトゥールビヨンとなるモノトゥールビヨン(RD03)を発表した。ブランドのアイコニックデザインである7時配置とは対照的に、最新作モデルのフライングトゥールビヨンは中央に収められており、ダイアル中央から外側に向かい、同心円上で秒、分、時間が表示される。存在感を放つ分と時表示の3Dディスクは、ボールベアリングに取り付けられた両面仕上げのシャープなオープンワークのフライング針によって時間が指し示される。

 このメカニズムは特許出願中の新しいプラネタリーシステムによるものだ。よりシンプルでコンパクトに洗練され、多くのスペースを生み出しており、従来のトゥールビヨンとは一線を画す外観で異彩を放っている。

ロジェ・デュブイ オルビス イン マキナ

 セントラルモノトゥールビヨンは、高級時計でも稀に搭載される複雑機構である。なぜなら、製造過程でトゥールビヨン自体の周りにムーブメントの部品を再配分すると同時に、針を表示する代替方法を検討するなど、多くの課題が生じるためだ。本作では過去作品のシースルー仕上げを再解釈し、トゥールビヨンを中央に配置することでスペースに遊びを持たせ、際立たせている。


「エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン」

ロジェ・デュブイ エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン」Ref. DBEX1112
手巻き(Cal.RD512)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。Tiケース(直径42mm)。10気圧防水。世界限定28本。2117万5000円(税込み)。

 人間工学に基づいたミニマルなデザインを特徴とする「エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン」。ロジェ・デュブイの個性を発揮しながらシースルー化に対するアプローチを表現し、快適さ、軽量性、強靭さを兼ね備えた装着感が追求されている。ビジネスシーンからプライベートまで、幅広いオケージョンで使いやすい仕上がりだ。

ロジェ・デュブイ エクスカリバー チタン モノトゥールビヨン

 搭載されるCal.RD512SQは、手作業により作り上げられており、7時位置にモノトゥールビヨンを搭載する。ロジェ・デュブイが製造するすべてのトゥールビヨンと同様に、63個の部品で構成されるフライングトゥールビヨンケージが特徴だ。ローワーケージには軽量チタンを採用し、アッパーケージにはブランドのシグネチャーであるケルト十字から着想したブリッジが配置される。ブリッジの片側のみに取り付けられるフライングトゥールビヨンは、アッパーブリッジによる支えがないため構造上の課題が生じる難易度の高いものであるが、これをクリアし審美的価値が与えられている。ケージ上部は非磁性コバルトクロム合金を採用し、下部には軽量チタンを採用する。

 シースルー仕上げのフェイスにはアストラルシグネチャーがあしらわれている。ムーブメントの部品には16種類の装飾が専門職人の高度な技術により施されており、3時位置にはジュネーブシールが刻印された。

 素材は主にグレード5チタンを採用。難削材であるチタンが、ケースやノッチ付きベゼル、3列構造のブレスレットといった特徴的な形状や独特の外観に仕上げられている点は見逃せない。ブレスレットはマットメタリックの落ち着いた光沢と、ポリッシュ仕上げの面取りが施されている。


「エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン」

ロジェ・デュブイ エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン」Ref. DBEX1130
手巻き(Cal.RD108)。32石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径45mm)。10気圧防水。世界限定8本。5879万5000円(税込み)。

 朝焼けの空からインスピレーションを得た「エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン」。鮮やかなジェムストーンのグラデーションをまとい、ダブルトゥールビヨン機構を搭載したエネルギーに満ちた意匠だ。

 18Kピンクゴールドのケースには、108石のジェムストーンがあしらわれている。ベゼルに72石、アストラルシグネチャーに27石、フランジに9石の内訳だ。鮮やかなガーネットによる赤色、オレンジスペサルタイト、そしてイエローサファイアの色彩によりグラデーションが構成されている。

ロジェ・デュブイ エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン

 シースルー化されたフレームワーク内には、フライングトゥールビヨンがふたつ配されている。ふたつのトゥールビヨンは、各トゥールビヨンのバランスを調節しながら重力の影響を軽減して精度の平均化を図るディファレンシャルギアを介して輪列の2番車に接続する。さらにトゥールビヨンキャリッジにはチタンとコバルトクロムを採用することで耐磁性が向上している。この新設計により性能が向上し、パワーリザーブは約72時間を確保。3時位置にはジュネーブシール準拠の刻印があしらわれている。

ロジェ・デュブイ エクスカリバー サンライズ ダブルトゥールビヨン


「エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン」

ロジェ・デュブイ エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン

ロジェ・デュブイ「エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン」Ref. DBEX1111
手巻き(Cal.RD512)。19石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約72時間。18KPGケース(直径42mm)。10気圧防水。世界限定28本。3371万5000円(税込み)。

 「エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン」は、24年の干支である辰をモチーフとし、立体的で力強い龍の姿をあしらいながら、モノトゥールビヨンを組み合わせた新モデルである。

 主役である龍の姿は、シースルー仕様のムーブメントの上を飛翔するように大胆に配されている。これは27の真鍮製パーツを組み合わせて、立体感を生み出しながら巧みに表現されたものだ。それぞれのパーツの側面は艶やかなブラックラッカーで彩られ、ピンクゴールドでコーティングされた表面にはポリッシュ仕上げが施されている。サファイアクリスタルケースバックにも、内側からメタライズされた流麗な龍の姿があしらわれている。

ロジェ・デュブイ エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン

 搭載されるCal.RD512SQのトゥールビヨンケージの下部には、ステンレススティールよりも2倍軽量な非磁性チタンが採用されている。さらにトゥールビヨンケージの上部には、ミラーポリッシュ仕上げが施された、同じく非磁性のコバルトクロム合金を採用している。これらにより耐磁性が向上するだけでなく、トゥールビヨンの重量が16%軽減し、パワーリザーブは約72時間を確保する。

 ピンクゴールド製ケースは直径42mmで手首に収まりやすいサイズだ。またケースにはピンクゴールドでガルバニック処理をされた高耐性の真鍮製フランジを組み合わせ、ダイアルにはブラックのスーパールミノバ™をあしらったインデックスが配されている。ブラックのカーフスキンレザーストラップは、素早くストラップを交換できるクイックリリースシステムを採用している。

ロジェ・デュブイ エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン


Contact info: ロジェ・デュブイ 銀座ブティック  Tel:03-5537-5317


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